【本】2011せんちえ大賞 『僕は君たちに武器を配りたい』瀧本哲史(著)


あなたは、今年読んで一番良かった本 は、どんな一冊だろうか?私にとっては、『僕は君たちに武器を配りたい』が、今年のベスト本となった。

 

特徴を一言でいうと

厳しい時代を生きる為の、投資家的な生き方のススメ

 

ますます厳しくなる日本経済の中で、個人が厳しい時代を生き抜くためにどうしたら良いのか、キャリアデザイン、ひいては、ライフデザインで参考になる記述が多い。

 

目次

はじめに
第1章 勉強できてもコモディティ
第2章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
第3章 学校では教えてくれない資本主義の現在
第4章 日本人で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
第5章 企業の浮沈のカギを握る「マーケター」という働き方
第6章 イノベーター=起業家を目指せ
第7章 本当はクレイジーなリーダーたち
第8章 投資家として生きる本当の意味
第9章 ゲリラ戦のはじまり

 

著者プロフィール

瀧本 哲史(たきもと・てつふみ) ~ 京都大学客員准教授、エンジェル投資家

東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用 されるも、自分の人生を自分で決断できるような生き方を追求するという観点から、マッキンゼーに転職。3年で独立し、今世紀中には返済できないほどの借金 を負ってしまった企業の再建などを手がける。また、他の投資家が見捨てた会社、ビジネスアイデアしかない会社への投資でも実績を上げる。京都大学では「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、教室から学生があふれるほどの人気講義になっている。「ディベート甲子園」を主催する全国教室ディベート 連盟事務局長。NPO法人全日本ディベート連盟代表理事。星海社新書の「軍事顧問」も務め、本書が単著デビュー作となる。ツイッターは @ttakimoto

 

この本は、正直、好みが分かれる本で、「サラリーマン」や「住宅ローンを組んでいる方」は、自己否定されたような気持ちになるかもしれない。ただ、私は、これからの厳しい時代に必要な知恵が詰まった本だと感じる2011 せんちえ大賞とも言える、ベスト1の一冊だ。

 

なお、同時に刊行された『武器としての決断思考 (星海社新書)』も素晴らしい本で、こちらはより万人向けと言える。(ただ、1回読んだだけでは理解できないので、自分の頭でじっくり考えながら、最低3回は、読んでいただきたい)

 

ジュンク堂書店Podcastで、「星海社新書」創刊&「武器としての決断思考」刊行記念トークが、無料公開されているので、聴いてみて欲しい。

 

ピックアップフレーズ

大切なのは、不労所得を得ることではない。投資家的に考える、ということなのだ。(P7 はじめにより)

 

スペシャリティとは、専門性、特殊性、特色などを意味する英単語だが、要するに「ほかの人には代えられない、唯一の人物(とその仕事)」「ほかの物では代替することができない、唯一の物」のことである。概念としてコモディティの正反対といえる。 (P39)

 

自分が働く業界について表も裏も知り尽くすことが、自分の唯一性を高め、スペシャリティへの道を開いていく。そして、常日ごろから意識して、業界のあらゆる動向に気を配ることで、「イノベーション(物事の革新)」を生み出すきっかけと出会うことができるのである。(P172)

 

もっとも大切なのは、人々と違う「インプット」を得ることだ。人間の行動(アウトプット)は、インプットの結果である。だから行動を変えようと思うならば、インプットを変えなければならない。(P247)

 

世の中の多くの “残念な人” は、「自分で調べる一手間」 をかけようとしない。しかし投資家として生きるのであれば、あらゆることについて自分で調べてみて、考えて結論を出すことが必要となる。 (P271)

 

 

人によっては、部分的に納得できない箇所があるかもしれないが、本は一行でも、自分の「思考」が変わる箇所があれば、元が取れると思う。(もちろん「行動」につなげて欲しい)

この本は2011年の現時点より、3年後・5年後に、評価が高まることになるだろう。