『采配』 落合博満 (著) [ビジネス書大賞2012 総合5位]
メディアで多くを語らない落合博満氏が、胸の内をつづった一冊が、30万部以上のベストセラーとなっている。
本書は、先日発表されたビジネス書大賞2012でも、堂々の第5位になっており、注目度の高い一冊だ。
▼特徴を一言でいうと
一度きりの人生。自分の人生を前向きに采配しよう!
▼ 目次
- 第1章 「自分で育つ人」になる
- 第2章 勝つということ
- 第3章 どうやって才能を育て、伸ばすのか
- 第4章 本物のリーダーとは
- 第5章 常勝チームの作り方
- 第6章 次世代リーダーの見つけ方、育て方
タイトルや目次だけみると、「リーダー論」の本と感じ、その立場にない人は、自分とは関係がない本と思ってしまうかもしれない。
下記にピックアップしたように、いわゆる平社員や、学生でも、参考になる点が多いので、ぜひ、万人に読んで頂きたい。
なお、プロ野球に関する記述も多く、「プロの厳しさ」「裏側」も垣間みれるので、プロ野球好きは一層楽しめると思う。
▼ ピックアップフレーズ
[向上心より野心を抱け] 「レギュラーの寝首を斯いてでもポジションを奪ってやろう」と心に秘めるのが一流への近道になる。(P16,17)
[不安だから練習する。練習するから成長する] 「不安もなく生きていたり、絶対的な自信を持っている人間などいない」(中略)「これを、やっておけば絶対に大丈夫」という練習方法もない。だから、どんな仕事にも不安は常につきまとうものなのだ。(P29,32)
[采配は結果論。事実だけが歴史に残る] 「こんな判断をしたら、周りから何と言われるだろう」そうした邪念を振り払い、今、この一瞬に最善を尽くす。監督の采配とは、ひと言で言えば、そういうものだと思う。(P74,78)
野球でもビジネスでも、「できることをしっかりやる」のが成果を上げる鉄則だろう。(P114)
人生には、仕事であれ家庭であれ、自分以外の人間と少なからず関わりがあり、それによっていい思いもすれば、悔しさを噛み締めることもあるだろう。だが、自分の人生を采配できるのは、ほかならぬ自分だけであり、そこに第三者が介入する余地はない。ならば、一度きりの人生に悔いのない采配を振るべきではないか。(P295)
落合氏は、プロ野球界で唯一、三度の3冠王を達成。監督としても、8年間で4度の優勝など、超一流の実績がある。
本書を読んで一番感じたのは、「結果を残したのは理由がある」という事。非常に良く考えて行動されており、その思考の一端がかいまみえる本書は、氏があまりメディアで多くを語らないだけに、貴重な一冊と言える。
▼ Amazonでも70を超えるレビューがあがっており、なか見検索もできるので、ぜひチェックして頂きたい。
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