【本】都知事選。4月10日(日)に笑うのは誰?『東京を経営する』渡邉美樹(著)


3月24日(木)に告示日を迎え、東京都知事選の選挙運動が始まる。今回は、石原慎太郎 現都知事、東国原英夫 前宮崎県知事と共に注目を集める、ワタミ創業者 わたなべ美樹氏の『東京を経営する』をピックアップしたい。

■ 日本に今もっとも必要なのは「マネジメント力」

本の構成は・・・

1. 東京を経営する
日本に今もっとも必要なのは「マネジメント力」
① 高齢者が安心して歳を取れる社会
② 子どもが夢を描ける社会
③ 東京の経済力を強化し、「売り上げ」を最大にする
④「財政」のいっそうの健全化
⑤ 国際都市・東京を輝かせる
⑥ 都政についてのあらゆる情報開示で「信」を取り戻す

(第1章の目次のみ抜粋)

第1章で全体像を示し、第2~7章でその詳細を解説する構成になっていて、全体的に非常に「読みやすい」印象だ。

政策提言は数多くあるのだが、この本は、都知事選出馬の意思を固める前に書かれた事もあって、それほど細かい点は記述していない印象。オフィシャルサイトで、マニュフェストが公開されており、当然そちらの方が詳しいので参考にして欲しい。

政策提言 2011.03.22  ~私を使ってください~ ローカルマニフェスト発表

 

「経営する」と言うと、利益追求が主眼となるような印象を受けると思うが・・・

私がいう経営力とは「企業が利益を追求するもの」という一般的な理解とは違います。それは、事業を行う人も、その事業の対象となる人も、ともに幸せにする力です。「その事業に関わる人たち全員の幸せの総和を最大にする力」「最大多数の最大幸福をもたらす力」といってもいいかもしれません。(P31)

とあり、一般的な「経営する」とは違う解釈だ。

 

 

【わたなべ美樹オフィシャルサイト 動画ページ】にて、都知事出馬表明記者会見の動画が公開されているので、映像を見ると理解が深まると思う。

■ 徹底した「理念の追求」

私は、渡邉 美樹氏の関連著書は20冊以上読んでいるのが、氏の特徴を挙げると、徹底した理念追求にある。

 

外食経営の理念: お店はお客さまだけのものである

介護経営の理念: ホームは、ご入居様の幸せのためだけにある。

学校経営の理念: 学校は一人ひとりの子どもたちの幸せのためだけにある。

 

そして、これを都政でも同様で、

都政は最大多数の都民の幸せのためにある

という理念を掲げ、徹底した行政サービスの向上に努めるとの事である。率直な感想としては、これまでの実績から言って、「都政のサービス向上が大いに期待できる」と感じたが、それと同時に、「都の公務員の皆さんの反発があるのではないだろうか」とも思った。

 

 

■「モデルケース」を作成して横展開する

FeBeで販売されている【革命対談】でも、「自分のやり方は、モデルを作って社会をひっぱっていく方法」と言われていたが、

東京都でモデルケースをつくることによって、地方がそのモデルをまねして、国全体の幸せが底あげされればと願います。 赤字の企業は、黒字の企業から多くのことを学んだり、アイデアを盗む。地方も都からアイデアを盗めばよいのです。(P19)

とあり、「東京都で良い実績を作って、他の都道府県に横展開させたい」というのが氏の想いのようだ。

 

 

■ 存在対効果を高める

わたなべ美樹氏の言葉では、「夢に日付を」という言葉が有名で著書もベストセラーになったが、氏の造語である「存在対効果」も味わい深い言葉である。

「人が生きていくなかで、どれだけ多くの人の幸せにかかわれたか」、それこそが自分の存在を高めることであり、その指標が、「存在対効果」です。人生の目的は、この「存在対効果」を高めることにあると私は信じています。(最初のページより)

 

本書では、寄付やボランティアについて触れているので、「東北・関東大震災の力になりたい」という方にも、お薦めの内容となっている。(44分のDVDも付いている)

「社会貢献」という意識が強いと、「やってあげる」という意識が先に立ちます。しかし、「やってあげている」のではなく、「させてもらっている」と謙虚に考えるべきものです。そのほうが長続きします。(P148)

 

マザー・テレサは、「愛の正反対にあるもの、それは無関心だ」と述べています。大切なのは「関心を持つこと」なのです。関心は愛情につながるからです。(P149)

 

社会的企業の出発点は「問題意識」です。「これはおかしい、なんとかならないだろうか」と考えることが起爆剤となって、世の中を変えていくのです。(P211)

 

簡単な会員登録が必要だが、【人生を変える一冊】で、無料音声を聴けるので、こちらも聴いてみて欲しい。

2010年6月 Vol.92-1 渡邉美樹さん『幸せの哲学「存在」対「効果」』 前編 約23分
2010年7月 Vol.92-2 渡邉美樹さん『幸せの哲学「存在」対「効果」』 後編 約16分

 

 

■ 政治へ、もっと関心を

現在、被災者への支援 ・ 原発への対応などを見て、「政治の影響力の大きさ・大切さ」を痛感している方も多いのではないか。2003年の都知事選投票率は44.94%、前回2007年は54.35%と、非常に低い投票率だ。

東京以外でも、北海道・神奈川・福井・三重・奈良・鳥取・島根・徳島・福岡・佐賀・大分の知事選が行われる。4月10日(日)の投票へ向けて、大いに関心を持って頂きたいと思う。

私も、個人的に渡邊美樹氏は「好きな人物」なのだが、感情ではなく、いろいろな候補者のマニュフェストや熱意を判断して、じっくり誰に投票するか決めたいと思う。