【本】童話でお金の怖さを痛感 『ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話』
2009年に発売され、話題になった、 『ヘッテルとフエーテル』。今、読み返しても、面白くて為になる。儲け話に騙されないための、自衛としても読んでおきたい一冊だ。
特徴を一言でいうと
最低限知っておくべき金融知識が、楽しみながら学べる!
Amazonでの内容紹介
なぜ人は、すぐに信じてしまうのだろう?不安なことが大嫌いで、いつも不安をなくそうと考えている妹・ヘッテル。 お金が大好きで、いつもお金をふやすことばかり考えている兄・フエーテル。激動の時代を生きる2人を待ち受ける「末路」とは――。お金、仕事、友人、自由、幸せ……とは? 騙しの罠、国家のウソ、経済・社会の構造を暴く衝撃の書! 豊富なイラストとともに、やさしく解説する。
目次
第1話 ヘッテルとフエーテル
第2話 カネヘルンの笛吹き
第3話 ピノキオ銀行
第4話 アホスギンちゃん
第5話 ヤンデレラ
第6話 ヘッテルと7人のODA・NPO
第7話 王様の金はロバの金
第8話 裸のフエーテル様 あとがき
イラストが豊富で、ユーモアたっぷりの内容。かなり毒舌な内容で、救われないお金の話もあるのだが、非常に現実的な話が満載。知っておいて損は無いというより、騙されない為にも、知っておいた方が良い話ばかりだ。
なお、各物語の後に、「グリーム婆さんのよくわかる解説」として、物語の教訓をまとめている、分かり易い構成になっている。
ピックアップフレーズ
「本当に100%儲かるなら、わざわざ赤の他人に教える人間などいない」 これだけ知っておけば、この手のだましに引っかかることはなくなるのじゃ。 (P24)
儲け話や、夢物語を語る側の人たちは、流行をつくるけれど、流行に乗った人達のその後の人生には、なんの責任も取ってくれんぞい。(P41)
「おまえ、国と会社にだまされたのに、何も文句を言わないなんてアホすぎるんちゃうん?」(P74)
該当募金活動が、実は全部嘘でやっぱり1円も寄付されていないってこともよくあるんじゃ。(中略) ろくに調べずに、お金だけ出してよいことをした気持ちにならないように、しっかりと最後まで調べるクセをつけなくてはいかんのじゃぞ。(P119)
むかしから、色んな手口で大勢の人が騙されていて、それは私たちも例外じゃなく、いともかんたんにだまされること。 (あとがき)
本書は、Amazonでも70以上のレビューが付いている話題作だ。四コマ書評の「女子勉」でも取り上げられているので、そちらも参考にして欲しい。本書を読んで、生きていく上で、非常に重要な「お金」を知識を深めて欲しいと思う。
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