アヤパン流、生きるヒント。『聞く 笑う、ツナグ。』高島 彩 (著) 人気アナウンサーのコミュニケーション術
2011年の「今年の漢字」は、ご存じ「絆」であった。東日本大震災を通じて、人と人とのツナガリの大事さを再認識した人も多いのではないか。
「女子アナウンサー好感度ランキング」5年連続1位、アヤパンこと高島彩さん。初めての単行本である『聞く 笑う、ツナグ。』は、心をツナグ、コミュニケーション術が満載の一冊となっている。
▼特徴を一言でいうと
人気アナウンサーが明かすコミュニケーション術
▼ 目次
- はじめに
- chapter 1 記憶から
- chapter 2 すべては「聞く」から始まる
- chapter 3 気持ちを伝える
- chapter 4 「笑う」ことで心をひらく
- chapter 5 楽しんで『ツナグ』
- chapter 6 外見も大切にする
- おわりに、大切なこと
コミュニケーション術を中心とした、幅広い内容。Chapter1~6では、「1.足るを知る」「7. 沈黙を怖れない」「10. 言葉を決めすぎない」「14. 笑顔に責任を持つ」「18. 出過ぎず、引き過ぎず」など、27項目に分かれ読みやすい構成となっている。
また、Chapterの終わりに記された下記内容も、具体的で参考になるので、書籍で確認してみて欲しい。
・「なるほど」には5つの「なるほど」がある (「なるほど」の使い分けを詳細解説)
・アナウンサーになって学んだ5つの話し方(助詞「が」の発音、「っ」を避けるなど)
・初対面はベージュ (相手に好印象を与える服装など)
▼ ピックアップフレーズ
特別なものなど何もない私が、今こうしてここにいられること。それは、人と場所と縁に恵まれたことにほかなりません。(P4 はじめに)
自分のなかにある幸せ、自分のそばにある幸せを大切に抱きしめながら生きているんだと気づくと、母のその生き方が、私の理想になりました。あれもこれもと欲しがらない、足ることを知る人です。(P18)
ルールを守ることも大切ですが、ときには、ルールを緩めてでも大切にしなければいけないものがあるんだと、教わったのです。そしてその陰では、すべての責任を取る覚悟が必要だということも。(P28)
私は今も、初めて会う人にも、いつもお世話になっている人にも、アイコンタクトをして、笑顔ではっきりと挨拶することを心がけています。(P31)
[新人研修で教わった言葉] 「マイクの前では、日本一上手いアナウンサーだと思いなさい。マイクを離れたら、日本一下手なアナウンサーだと思いなさい」(P78)
もし父が今も生きていたら、今の私はありません。ものは考えようと言いますが、父は、私や家族に降りかかってくるはずのアンラッキーを、すべて背負って亡くなっていったのはではないかと思っています。変な言い方になりますが、今の私があるのは、母と兄がいるおかげで、父がいないおかげなのです。(P152,153 おわりに)
優しい口調で書かれているので、高島彩さんが話しかけてくるような、非常に読みやすい一冊に仕上がっている。普段、本を読まない私の母親も言っていたが、「良く知っている人なので、読みやすい」という面もあるだろう。
「しっかり聞く」「気持ちを伝える」「笑って心をひらく」「外見も大切にする」など、日常のコミュニケーションに役立てられる学びが多い。あなたの「仕事」や「人生」にプラスになる、ヒントがたくさん詰まっている事だろう。
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