情報は行動を引き起こすためにある 『情報の呼吸法』 津田大介(@tsuda) 著
記者会見や発表会、または事件性や話題性の高いイベントなどに出席して、現場の状況を、あたかも実況中継のように次々とTwitterで投稿することを「tsudaる」と言うそうだ。
「tsudaる」の、ネーミングの元となった、ジャーナリスト/メディア・アクティビスト 津田大介氏の新刊は、『情報の呼吸法』。溢れかえる情報との向き合い方の、示唆を与えてくれる一冊だ。
▼特徴を一言でいうと
情報のインプット(入力)とアウトプット(出力)のバランスを取るべし!
▼ 目次
- はじめに
- 第1章 情報は行動を引き起こすためにある
- 第2章 情報は「人」をチャンネルにして取り込む
- 第3章 情報は発信しなければ、得るものはない
- 第4章 ソーシャルキャピタルの時代がやってくる
- おわりに
第1章のタイトルにもなっている、「情報は行動を引き起こすためにある」という言葉が印象的。実際に津田氏が、「東日本大震災時にとった行動(記者会見の要約中継・被災地に訪れる等)」の詳細が書かれていて、「著者の行動力」「ソーシャルメディアの可能性」など、刺激を受ける内容。
全体を通じて、フェイスブック・mixi・ツイッターなどの、ソーシャルメディアの話が多く、特にツイッターに関する記述が多い。ツイッターをもっと有効にしたいという人は、読んでおいて損は無いと思う。
▼ ピックアップフレーズ
コミュニケーション革命が起きている中、どのように情報を入手し、入手した情報を「行動するために」どう活用していけばいいのか。本書は「情報を行動に移す」ことに主眼を置き、自分が今まで経験してきたことを中心に解説しています。(P8 はじめに)
僕は情報の受発信を「連想ゲーム」として捉えています。(P53)
専門分野を持っている人は当然みんな忙しい。だから彼らにどうやって時間を割いてもらうかは工夫が必要です。(P74, 75)
大原則として、変なリプライや攻撃的な反応が来ても気にしないことです。(中略)ネットの批評を中途半端に見るのが一番よくないと思います。(P88)
ビジネスの場合もそうですが、現在起きているほとんどの「炎上事件」は、オープンな空間をクローズドなものと勘違いした結果だと思います。(P125)
米国のIT市場調査IDCが2010年に発表したレポートによると、世界のデジタル情報量が今後10年間で44倍に増加する見通しだという。今後、ますます溢れかえる「情報との付き合い方」を上達させたい方は、ぜひお手に取って欲しい一冊だ。
▼ 関連リンク
・津田氏のツイッター @tsuda(日本で有数のフォロワー数を誇る)
・津田氏のメルマガ 津田大介の「メディアの現場」
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