【本】サッカー日本代表 長谷部誠(著)『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』
チャリティーマッチで盛り上がった、日本サッカー界。日本代表の主将を務め、W杯やアジアカップでも、素晴らしいコメントを残した長谷部選手は、普段どんなことを考えているのだろう?
>> オフィシャルブログ 本の出版について 【長谷部誠】
特徴を一言でいうと
心は、強くするものではなく、メンテナンスするもの。
まさに、「心を整える」方法が書かれた一冊。
Amazonでの内容紹介
『心は鍛えるものではなく、整えるものだ。いかなる時も安定した心を備えることが、常に力と結果を出せる秘訣だ。自分自身に打ち勝てない人間が、ピッチで勝てるわけがない。』日本代表キャプテンとして、チームを勝利へ導いた男の実践的メンタルコントロール術。
長谷部誠はサッカー選手としては、特に特徴がある選手ではない。試合を決定するフリーキックが蹴れるわけではないし、突出したテクニックを持っているわけで はない。だが、彼はあらゆる指揮官に重宝される日本代表の中心人物だ。それに加え、浦和レッズではタイトルを総なめにし、移籍したドイツでは、クラブチー ムを初優勝に導いた。そして、記憶に新しいアジアカップでのチーム優勝……。彼は一体何を持っているというのか。それは、類まれなるメンタルコントロール 力にある。
心はよく「鍛える」「磨く」などと表現されるが、長谷部誠は違う。心を「整える」のだ。生活のリズム、睡眠、食事、そして、練習。日々の生活から、心に有害なことをしないように、少しでも乱れたら自分で整える。そうすることによって、いかなる試合でも、いかなる場面でも揺らぐことがなく、ピッチ で力が発揮できるという。実践することはいたってシンプルながら、だからこそ、慌しい現代では意識をしないと難しいもの。力を抜いて無理なく自然体で行え る姿は、まさに彼の心情が姿勢として表れている証明だろう。今最注目のアスリートのビジネスでも、スポーツでも、あらゆるシーンで応用できる新メンタルコ ントロール術!
目次
まえがき
第1章 心を整える。
第2章 吸収する。
第3章 絆を深める。
第4章 信頼を得る。
第5章 脳に刻む。
第6章 時間を支配する。
第7章 想像する。
第8章 脱皮する。
第9章 誠を意識する。
最終章 激闘のアジアカップで学んだこと。
あとがき
本文から、長谷部選手の、真面目さ・誠実さが伝わってくるが、自然体の文章で、読み易い。三浦カズ選手、田中達也選手、小野伸二選手などのサッカー選手とのやり取りも多くでてくるので、サッカー好きの方はより一層楽しめるだろう。
ピックアップフレーズ
自分と向き合う方法は、2つある。ひとつは孤独な時間を作り、ひとりでじっくりと考えを深めていくこと。僕にとっては読書も、ひとり温泉も、ここに含まれる。そして、もうひとつは、尊敬できる人や仲間に会い、話をすることで自分の立ち位置を客観的に見ることだ。(P52、53)
「高ければ高い壁の方が 登った時気持いいもんな」この言葉が僕の人生の指針だ。(P154)
プロサッカー選手は外から見ると華やかな職業に見えるかもしれないけれど、当然楽しいことばかりではない。ケガ、レギュラー争い、メディアからの批判、選手寿命との闘いなど、精神的に追い詰められる要素がたくさんある。(P211)
[※海外移籍を相談した時] カズさんは「絶対に行った方がいい。それもなるべく若いうちに行くべきだ」と言って、背中を押してくれた。(P58)
[※プロ入りを悩んでいた時] そんな僕に、じいちゃんが言った。「マコト、人生は一度しかないんだよ。男なら思いきって挑戦するべきではないのか」(P62)
この他にも、ドイツでの経験を踏まえた、長谷部選手ならではの記述もあり、いろいろと学びが多い。やはり、トップアスリートは「意識」や「経験」が違うと感じ、三浦カズ選手の本も読みたくなってくる。
長谷部選手オススメ本5冊
長谷部選手の「オールタイムベスト5」は以下の5冊。
読書家の長谷部選手だけあって、この5冊以外にも、数々の本が紹介されており、いわゆるハブ本としても役立つ本だ。また、値段は高いが、オススメの温泉も紹介されている。
心を安定させたい人
この本は、サッカー好きに特にオススメだが、全体的には「心を安定させたい人」にお薦めだ。「寝るまでの1時間前」を徹底的にこだわっていると言うことで、お薦めのリラクゼーション音楽など、「心を整える。」具体的な方法や、心構えの数々が紹介されている。
地震や原発の影響などで、「心が乱れている」方も多いと思うが、今まさに「心を整える。」ことが大事なのではないか。三浦カズ選手の話題書「やめないよ」も合わせて読むと、心を整えて、前向きに頑張ろうという気になれると思う。
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